小紋を新調しました。

半年前展示会で出会ってから心待ちにしていた着物がやっと出来上がり、本日お家に到着しました!! ようこそ我が家へ〜〜(^v^)

紅型(小紋)なので、礼装ではなくカジュアルなお出かけ用です。でも、ひとりで着られないと万が一の時に対処できないので、母と出かけるとき以外まだ着物を着たことがありません。

今年の4月から5月にかけて土曜の午前中に着付け教室に通っていましたが、授業が始まると忙しくなってきて結局袋帯の締め方を覚える前に断念…(名古屋帯ももう忘れてしまっているかも)。やはり、週一の教室のときだけやっても無理ですよね、家でもちゃんと練習しないと…。

さて、こちらがそのできたてホヤホヤの着物でございます!

何の帯が合うだろう〜♪展示会で最初に見たときはそんなに興味はなかったのですが、着せてもらったところ(※着せるといっても売る前は反物ですので、着物屋さんが鏡に映る正面部分だけ襟元や袖などそれっぽくつくってくれるのです)、それまで見たことのない色合いと柄(私にとっては、ですよ!)に一目惚れして母に頼んで買ってもらいました。

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というわけで、と〜っても楽しい着物の展示会ですが、連れて行く母は私のように単純には楽しめないようです。それは展示会に行くと必ず店員さんが着せてくれ、帯から半襟、帯締までベストチョイスのものを持ってきてくれるのですが、それを見ているとどうしても欲しくなってしまうのですよね…。でも、(我が家にとって)着物はそんなに頻繁に買えるものではありません。貯金したお金を着物だけに使うのならまだしも、旅行にも行きたいし新しいパソコンも欲しいし…というような状況ならばなおさらです(涙)。

そういえば、以前読んだ林真理子著『着物の悦び:きもの七転び八起き』では、「展示会のとき食事をご馳走になると負い目を感じてなにか必ず購入してしまうため、自分は展示会に行くとき事前に食事を済ませるようにしている」みたいなことが書かれていて、なるほど〜と思いました。確かにあの食事代というものは着物を買ったお客さんが支払っているようなものですものね。

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母曰く、最近お店においてある着物の質が変わったとのこと。不景気の影響により、高級で高価なものはあまり売れなくなったため、手ごろな値段で万人受けするデザインのものが増えてきているようです。

若い人の着物離れの理由というのは、その価格に加え手入れの難しさとが大きいと思います。着物というのは“着る芸術品”ですので管理が結構大変です。食べ物でもこぼしたらスグにお店に出して洗ってもらわないとシミが残ってしまうんです。家で洗濯できないのは経済的にも負担になりますよね。

でも、もちろん着物は大変なところだけじゃないです!!私が学校で今学期とっていた日本美術史の授業で先生が「着物は他国の正装と比べてネックレスやイヤリングなどの装飾品がいらない」と言っておられました。これは世界でも珍しいことである、とのこと。

ここでは西洋と日本では美的感覚と体型の違いも大きい気がします。あちらのドレスはまずコルセット(現在使われているかどうかはわかりませんが…)でキツ〜くウエストを絞りますよね。逆に日本の着物では胸囲・腹囲・腰囲が同じになるようタオルを詰めるんです。これをやらずにお腹周りだけ細い状態で着物を着ると、見慣れないからというのもありますが、帯で結んだところにしわができて美しく見えません。

また和装というは帯・半衿帯揚・帯締などの組み合わせで印象が随分変わります。それを考えるのも着物を着る醍醐味といふもの。


着物は、昔はフォーマルな場だけでなく普段着としても使われていましたが今では"格調高き日本文化"といった印象で、海外でも“kimono”の名で親しまれていますが日本で着物を着ている人を見る機会はほとんどありません。私は流通を最優先させるがために質を(美的なものも含め)低下させるのには賛成できません。ただ、あまりにも高級で手が届かなくなりすぎることによって生活から完全に切り離されてしまうのも寂しいことだと思います。一部の人にしか慣れ親しむことができないようなものは文化として後世に残してゆくのは難しいですものね。