横浜美術館開館20周年記念パーティ

コンサートが終了した後、溜池山王から桜木町に直行して、横浜美術館の開館20周年パーティに参加してきました。(美術館HPからの応募で当選したため☆)

特別ゲストとして美術作家の奈良美智氏と美術館館長,主席学芸員による三者対談を聴講しました。奈良氏は国内での初めての個展を2001年にここ横浜美術館で開かれたそうで、この美術館には特別な思い入れがあるということでした。

対談のメインテーマは『横浜美術館のこれから』。私が記憶する限り、横浜(&みなとみらい付近)にはそごうの中にある美術館と郄島屋の中にある画廊以外、"美術館"は思い当たりません。鎌倉の方に行けばいくつかあるけれども、横浜って意外と少ないんですよね。そうした中で1989年に開館した横浜美術館は市民にとって芸術品とふれあえる(いや、"触れ"合うのは不可…)とても重要な場所になったのではないでしょうか?

さて、横浜美術館は所蔵する芸術品の質の高さも全国トップクラスだそうです。私は美術品の"質"の話には疎いのですが、展覧会を見る限り現代の作品がバランスよく揃えられている印象を受けます。

奈良氏が思い描くこれからの横浜美術館の姿というのは、その豊富な所蔵品をアジアの国の人々に公開する機会を増やすこと。今まで「美術を学ぶ」ということは"ヨーロッパ"の美術を追求することが多く、彼自身もドイツに留学していた経験をもっています。彼が"アジア"を強く意識しだしたのは自分の作品をアジア諸国で開かれた展覧会で公開するようになってから。同じアジア人ということで、たくさんの人から励まされたことがきっかけとなり、アジアの中の日本として、アジアのために何ができるのか考えるようになったそうです。日本は比較早い時期から美術品を収集したため近代の著名な芸術家の作品もたくさん持っていますが、最近経済的に豊かになった国は以前から評価の高い芸術家の作品を今更手に入れる術がないとのこと。また、日本のように他国に自由に旅行できる制度が無い国もあるため、こちらから作品が赴く以外にその土地の人々が日本の所蔵する芸術品を鑑賞することができないということも話しておられました。
これからの横浜美術館は、美術館の"内"だけではなく"外"、しかも海外に視野を向けていくべきではないかという自身の経験から生み出された奈良氏の見解は非常に興味深く約40分の対談もあっという間でした。


その後は立食パーティ。軽食が置かれたテーブルの周りは老若男女の姿をした飢えたハイエナたちによって大分混乱していました…(==;)…そんなことを感じたのは単に私が"立食"なるものを初めて体験したせいかもしれませんが…。一緒に参加した母は着物だったため料理や飲み物が服に飛ぶのを恐れてテーブルには近づかずに私が命辛々手に入れてきたワインとカナッペを手に遠巻きからその光景を眺めていました。


記念パーティなんて出席するのは今回が初めてだけど、普段なかなか聞くことができない、美術館館長さんや学芸員さん,また美術館を支える財団の会長さんの話がきけてとってもおもしろかったです(^v^)これからの横浜美術館の活躍に注目しています。