二週間越しに取り戻した信用

今日、韓国から一つの小包が届いた―。
中身は一箱の“韓国海苔”。

話は2週間前に遡る。


10月31日、妹は韓国の修学旅行から帰ってきた。

伯父伯母夫婦からお土産を買ってきたらお年玉を減らすと脅されていたため、向こうで買ってきたものは家族用とご近所さん分の韓国海苔と自分用の記念品ぐらいで、海外旅行のお土産としては非常に小規模であった。
購入した韓国海苔はホテルで買った箱詰めのものと移動中のバスの中で買った袋入りの方と2種類。早速家族用の袋入りの方を食べた。ごま油の香ばしい香りと海苔の磯の香りが絶妙に絡み合っていてとても美味しかった。

妹は翌日、塾へ箱に入った小分けされたのりを塾の先生に持っていった。ちょうどその日は先生の誕生日でとても喜んでもらえたそうだ。前日、本場の“韓国のり”に感動した私はそっちの箱に入った方も食べてみたくなり、1袋手にとってみた。あけて食べてみるとこちらもなかなかに美味しかった。バリバリ食べながら海苔の入った袋を眺めていると、端のほうに『2009.8.--』の数字が。
あれぇぇ?!コレ、賞味期限2ヶ月も切れてんじゃん!
生ものだったら完全にアウトだが、乾物なため味には特に問題は無い。だが、家族以外にわたすお土産としては全くもって良くない状態である。妹の塾の先生がこの事実に気付かないことを切に願う。

すぐに母はネットでホテルを検索したが、どうやら連絡手段は見つからなかったようだ。翌日、修学旅行の代理店に電話。すぐに連絡網がまわり学校内ではちょっとした騒ぎになった様子。

賞味期限切れの海苔は回収された。替えの品を送ってくれるとのことだったが、待っても待っても来ず―。
帰国から2週間が過ぎ、妹も土産物に対する不信感を修学旅行自体の楽しかった思い出と共に忘れかけた今日、やっと韓国からの小包か届き、冒頭の文に戻れるというわけである。

包みの中には新しい海苔の箱とハングルで書かれた文章,その日本語訳が入っていた。その文章とはホテルの土産物屋の店長からであり、今回の件についての謝罪が書かれていた。

そこには商品管理をこれまでより徹底することが誓ってあったが、今回の事件に関する責任、実はその店だけのものではない。海苔の箱には賞味期限の記載は一切なく、中の袋に書かれているのだ。それは外からでは確認できないために店側も点検の仕様がない。これを機にその海苔の製造会社が期限記載を改善してくれたらと思う。

今回の件で、その韓国のりを買った生徒たちの間でうちの母は英雄になっているらしい。
もう一度言うが、賞味期限切れを見つけたのはこの私だ!