『THE ハプスブルク』展を鑑賞

今日は家族で六本木にある国立新美術館で開催中の『THE ハプスブルク』展を観に行ってきました。10時から開館で私たちがついたのは10時半ごろ。会場内はまだそんなにお客さんが入っていなく、とても見易かったです。

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○ 作者不詳 - 『四季花鳥山水蒔絵棚』(1869年以前)
漆黒の背景にそびえる黄金の松と,絹のように細い金の線で表現される川の流れ。点描のように散らされた金で描く島は幽玄な世界観を一層と際立たせていました。あぁぁ、欲しい!
私は特に3段目右側面の川,島,すすき?と花の描写が最も美しいと感じました。
蒔絵の製作技術についてはあまり知りませんが、これを機にちょっと勉強してみたいです。でないと、用語の意味が全く理解できません。今日の展覧会の展示品一覧に自分でメモした“蒔暈し”って、何のこと(?_?)


○ バルトロメ・エステバン・ムリーリョ Bartolomé Esteban Murillo (1617-1682)
– 『悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエル』(1665-1668年頃)
この絵は大天使ミカエルとサタンの最後の戦いを描いた緊張感溢れた主題で、今まで見てきたムリーリョの作品(愛らしいキリストやマリアの表情が印象的な宗教画や貧しい子どもたちの生き生きとした姿を描いた風俗画)と雰囲気が異なり何とも新鮮な気持ちで見つめていました。ですが、温かく幻想的な色使いとミカエルの勇ましいながらも優しい顔つきはやはりムリーリョの絵であることを証明しています。


○ サロモン・ファン・ロイスダール Salomon van Ruysdael (1602-1670)
– 『渡し舟のある川の風景』(1644年)
ロイスダールというと甥のヤーコプのほうが知名度が高く、私もサロモンの作品は今まであまりお目にかかったことがございませんでした。でも、この絵は流れる雲や木の葉のなびく姿から穏やかな風を感じることができ、ずっと見続けていたいと思うような作品でした。

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私はもう一度はじめから戻って、気に入った作品を再度鑑賞。
蒔絵棚のショーケースをうろうろしていると隣の“画帖”展示での人の流れが悪く、何度も係員が歩きながらの干渉を促していました。(春に行った『阿修羅展』の人間で出来た異様な渦をちょっと思い出しました。)
う〜ん、来場者も多くなってきてスームズに流れなくなるのを回避したいのはわかるけど、折角お金を払って観に来ているんだからちょっと立ち止まってじっくり眺めるぐらいはしてもいいんじゃないのかな?と思いました。作品は50枚のA4サイズぐらいの絵なのですが、ガラスケースの中に水平に置かれていて真上からしか拝めません。私は作品の管理については勉強したことないから、ここでは勝手なこと言ってしまうけど、もうちょっと、斜めにして高い位置に置けないのでしょうか?あれでは、身長が2mぐらいないと後列からの鑑賞は到底不可能で、特に関心がない場合以外はどの鑑賞者も最前列で見ようと長く列が出来てしまうことは必至です。

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展示を見終わった後には、お楽しみ☆関連グッズ購入〜〜。
今回は読売新聞社プレゼンツの展覧会なので、いつものようにポストカードコーナーは非常に充実していました(^v^)私は上記の蒔絵棚以外2枚のカードを購入。

そのグッズ売り場の複製画などが売っているところに今回は来ていないけど、ムリーリョの絵画『三位一体(もしくは聖家族)』の写真の版画が、店員さん曰くお買い得価格の16万円ぐらいで売られていました。版画は100年前の作製でもともとは貴族が所有していた絵画の写本に収められていた絵の一枚で、製作段階で有害な薬品を使用するため現在では製作は禁止されていて非常に貴重な作品だとか。モノクロ刷りですが、黒というよりは赤みを帯びたこげ茶色でとっても温かみがあって美しかったです。(因みにこのもとの作品はロンドン・ナショナルギャラリー所蔵なのですが、美術館のミュージアム・ショップにポストカードが売られていないのです。信じられない!)

版画の製法や価値についていろいろ聞き込む母の姿に店員さんは我が家が本当に購入を考えていると踏んだらしく、それらの版画が収められている元の原本をわざわざガラスケースから出して見せてくれました。しかも、急いでいたので、「本当は手袋つけないといけないんですけどねv」とか言いながら素手で!あの…、ちゃんと手袋はめてください。。
結局、今回は購入はしませんでした。衝動買いできる値段でもないですし。

『THE ハプスブルク』展、会期は12月14日までです♪