ゼミ教授たちによるリレー講座

本日の授業より毎週、ゼミで教えてくださっている先生方がお一人ずつ授業のはじめの30分間を使って、ご自身の専門分野のレクチャーをしてくださることになりました!
記念すべき第一回目の今回は、SGSから教えに来てくださっている中澤 弥先生が行っていらっしゃる文学研究についてお話してくださいました。

現在、先生は2つの研究に参加されているそうです。
一つ目のテーマは、横光利一 (1898-1947)の作品『上海』。中国に展開した日本の紡績工場でストライキが元で起こった“五・三十事件”(1925年)という出来事をモチーフに書かれた小説で、先生は昨年実際にこの事件の発端となった工場の跡地を訪れたそうです。

二つ目はテーマは、『改造社』。改造社とは出版社の名前で、はじめ『改造』という雑誌を発行していましたが、戦時中売れ行きが伸び悩み倒産しそうになっていたところを画期的な戦術を盛り込んだ「円本」という格安本を出版することによって、経営危機を乗り越えたそうです。円本とは一冊一円の文学全集で、一冊あたり普通の単行本の3〜4冊分の量が入っているという消費者に優しいお得感♪だけでなく、予約制の前払いという購入システム,また予約した人だけが聴講できる小説家や評論家の講演会(&無声のプロモーション映像上映会)を催すなど、会社が独自の方法を生み出し購読者を増やしていったそうです。先生が所属されている研究グループでは、この円本の宣伝・広告についてリサーチされていて、今日も実際の新聞(写しかな?)の広告を見せてくださいました。

“文学”という文化的なジャンルから、戦前の日中関係や出版社の経営戦略に触れることができ、とてもおもしろかったです。

来週も楽しみです(^v^)

(レクチャー後1時間のテーマ別グループワークについては16日付の記事『〔インターゼミ〕第4回(5月15日)の授業?』をご覧ください。)