〔本編〕〜『多摩大学SGSのこれから』

こんばんは!
今日の藤沢は雨と風が物凄かったです。
2棟の校舎を繋ぐ2階の渡り廊下は、もはや屋根が意味を成さないくらいに横から雨が吹き込んでいました(=o=;

さてさて、早速昨日の続きです☆

大学研究家の山内太地先生の講演はまずSGS生にはちょ〜っと耳が痛い大学の偏差値の話から始まりました。

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大学の偏差値と社会の認識
代々木ゼミナールによるSGSの偏差値は“44”。いわゆる大学(学部)の“ネームバリュー”は皆無な域です。つまり、出身大学を重視する会社への就職は非常に困難という状況にSGSの学生は立たされています。

SGSはできてまだ3年の学部です。(この部分は私の印象ですが→)設立されて間もない学部の特徴の一つとして在学生の学力の差が大きいことが挙げられます。英語の能力も流暢に自分の意見を言える人から、しゃべるとなると中学文法でもガタガタになってしまう人まで差が非常に大きい。また、学業への取り組みを見ても玉石混合だと思います(「“石”代表のお前が言うな!」って感じですね、すみません。)。

ですから、こんなにも能力に差がある学生の価値を全部ひっくるめて大学の偏差値で定めてしまうことはあまりにナンセンス!しかしこの考え方は一般的にはかなり主流だそうで、これから我々はその荒波を超えていかねばならないようです(T_T)


企業が本当にほしい人材とは?
再度企業が求める人材を探ってみる。
{学生 ⇒ 労働者}={買い手 ⇒ 売り手}
会社は自分のとこの商品を気に入ってくれる人を求めているのではなく、その商品を売ってくれる人材を欲している。
現在、学生には{買い手⇒売り手}のイメージ転換が困難なのだそうです。なぜなら、それを教えるべき大学の教育がそこまで到達していないから。売り手の思考とは‘商品を売れるようにするため’の案を“ゼロからの発想”することです。

ここで先生から興味深いお話が。
「日本人の多くは大学を小中高の延長であると認識しているが、実は全く別である。」
世界の大学を調査してきた山内先生によると、「大学とは本来既存の論理を学ぶところでなく、未知の問題に取り組むところ」なのだそうです。(私も例に漏れず“勘違い組”でした。)

そういえば、去年、先輩から「W田は大学生2年というより高校5年生のよう」と言われたことがあります。そうか、あれは私の自分から学ぶという姿勢が欠けていたことを指摘してのことだったわけですね。


『4ない学生』
 1. 友達や恋人がいない
 2. サークルに入らない
 3. アルバイトをしない
 4. ゼミに入らない

山内先生曰く「これ(↑)をやらずに大学で何をやるんだ?!」
しかし、この“4ない学生”、マンモス私立大学で量産されているそうです。
サークルにもゼミにも属さない学生で心のよりどころとなる友人・教員との関係がない人は一人で講義を聴いて一人で帰ることがあたりまえになってしまう。こういう状況が中退者を出してしまう要因になるのだそうです。学生数が多い大学はそのあたりのケアにもっと力を注ぐべき!とおっしゃっていました。

“4ない学生”のお話を聞きながら、ふとインターゼミの『教員30分講義』の時間に経営情報学部の菅野先生が語ってくださった『体験記&教訓』の<蛮カラ編>のお話を思い出しました。そこで先生が話してくださった、“蛮カラ”という体育系の部活や寮生活の雰囲気に通じる‘何事にも全力投球’だった学生生活や京大在学時代に入部していらしたボート部でのエピソード。お話されている先生の表情からその楽しさや懐かしさが強く伝わってきて非常に感銘を受けたと同時に、何事にも中途半端な自分の姿が自然と頭に浮かんでしまい、聞きながらとっても羨ましく感じたのを覚えています。


多摩大学SGSの特徴
山内先生が作成したSGSの特色のポジティブ/ネガティブの分類わけは以下のとおり;
<強み>
リベラルアーツ教育と国際性(英語力)
②マンモス大学ではありえない少人数教育
③全員がゼミに入れる(入ってから伸びる)
<弱み>
①大学受験におけるブランドイメージが低い
②就職で有名な会社に入った実績がなく、社会からの評価も低い
③おとなしい学生。行動力、意欲において高偏差値大学の学生と大きな格差
④広報不足。特に高校へのPRが足りない
⑤教育内容の良さが知られていない
⑥社会貢献,産学連携,地域連携,高大連携の不足

と、先生の分析によると弱みが強みの2倍あるんですが、これが外部の人から見たこの学部の客観的なイメージということで重く受け止めるべきところと感じます。

④⑤の広報,特にSGSのHPのコンテンツの薄っぺらさについては私も前から不満を感じていました。学校アピールの策として最も有効なのがホームページだと思うのですが…。HPは2学部合同ですので大枠となるトップページのデザインはおそらく経営情報学部の久恒先生によるものだと思います。問題は学部で分けられた部分(ゼミの取り組み,教授紹介など)の中身の差です。SGSのほうは本当に寂しいです。


他大学の試みを知る
立命館大学は生徒が自ら大学教育のレベルアップのために様々な取り組みを行っている。〔例:教員への授業インタビュー,しゃべり場
立命館大学の試みは他大学にも広まりつつある

我らが多摩大学SGSには『学生会』という生徒会みたいな団体が存在しています。歴史が長い大学にある(らしい)古い体制へのマンネリズムはこの学部には皆無であり、学年を超えた交流を図るためのバーベキュー大会や、学部の更なる改善のための教員・職員交えての討論会などが定期的に行われていて、より良いものへ向けての試行錯誤はかなり活発に行われていると感じています。


若者が将来に求めるべき姿
私たちはよく親など周りの人から「自分の好きにしなさい」と言われます。望むものを、と選択肢の広さを提示してくれつつも、この言葉には‘学生のうちに何かを見つけなくてはいけない’と強制しているような印象も同時に含んでいる、と先生は指摘していました。
先生は自分の好きなこと・やりたいことだけを探すのではなく“他人の幸福や社会のために働くこと”も自分の将来像を形成するときに考慮すべきとおっしゃっていました。

私は今秋に就活を控えていまして、希望の業界を探すときに自分の趣味や興味からつなげていこうとする傾向が強くてなかなか見つけられずに困っていたのですが、選択の基準を広げて再チャレンジしてみることにします!
                            〔End〕

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最近の大学生が抱える問題点については自分に当てはまる箇所がたくさんありました。大学生活残り1年半、自分なりに納得がいく学生生活を送りたいと強く思うようになりました。

本日の先生の講演からたくさんの気付きを得ることができました。夏休みを前にしてハメをはずしかけていたこのタイミングでご忠告頂けたのは非常に幸運だったと感じています。休みの期間中にじっくり突破口を探っていこうと思っています。
山内先生どうもありがとうございました。

最後に宮坂先輩をはじめとし企画に携わった方々、お疲れ様でした。
とても素晴らしい講演会で参加することができてよかったです。ありがとうございました(^v^)