知識がリンクする歓び

今日は『地球社会の切り口:日本文化』の授業の第一回目。

シラバスを見た時から非常に楽しみにしていた授業であります!なぜなら今まで自国の文化を今まで知らな過ぎで少々恥ずかしい思いをしていたからです。一例を申し上げますと、美術出版社から出ている『この絵、誰の絵?−100の名作で西洋・日本美術入門』という本の問題を解いていたら、西洋美術編の正答率56/60=93.3%に対し日本美術編21/40=52.5%…う〜ん、恥ずかしい。。春学期に日本美術史(江戸前期まで)の授業を受けて"やっと"この正答率。この授業を取ってなかったら限りなくゼロに近い、、、というわけでございます。

さてさて、今日は『日本と西洋の関わり』を歴史的に辿っていきました。ポルトガルの鉄砲とキリスト教の伝来から始まり、キリシタンの迫害,鎖国を通ってペリー提督による開国あたりまで。

授業は先生が用意したPower Pointのスライドにそって解説がされていきました。その中で、記憶に新しい一枚の絵が。

それが、支倉常長 (1571-1622)。
           
           

彼は1613年に使節団の一員としてスペイン・ローマを訪れ当時のローマ法王にも謁見した人物です。この絵は滞在先で描かれたもの。

この絵とは、今年の6月上野の国立西洋美術館で『ルーヴル美術館展』の特別イベントとして行われた、西洋美術史の研究者・石鍋真澄先生による講演を聴きにいった時に出会いました(本物ではなく、スライドの画像として)。この絵は『西洋の肖像画として初めて日本人が描かれた作品』だそうです。(ちなみに、石鍋真澄先生は去年、小学館から出版された『ルネサンス美術館』の著者であられます。写真が大きく綺麗で解説もとても詳しいです。SGSの図書館にも購入してもらってありますのでぜひ♪)

このような『知識が別々の分野から合致すること』がSGSで学んでいるとしばしば起こります(上の例は違うけど)。これがとても興味深いんです!日々受講している教科は多義に渡っていて、はじめは全く関連性の無い別々の分野と捉えがちなのですが、学習を進めるにつれてある授業で習った知識・方法を他の授業の中で応用できることを実感するのです。卒業する時までに全ての知識が専門分野の枠を飛び越えて蜘蛛の巣のように関連づけられるようになることが、自分の目標のような気がします。



話は大分変わりますが、17世紀,フランス絵画の巨匠として知られるプッサン Nicolas Poussin (1594-1665)が"日本人"を描いていたことはご存知でしょうか?彼はザビエル Francisco de Xavier (1506-1552)が日本人の少女を生き返らせたという言い伝えをキャンバスに描いています。『鹿児島で少女を蘇らす聖フランシスコ・ザビエル』
ルーヴル美術館の所蔵作品のページにリンクしてありますので興味がある方はどうぞ
http://cartelen.louvre.fr/cartelen/visite?srv=car_not_frame&idNotice=1172

ご覧になった方、どうでしょう??生き返った少女も周りで奇跡を目の当たりにし驚きと喜びの表情を見せる人々も、全然日本人に見えませんよね。それもそのはず、プッサンは日本人見たことが無いため"想像"で描いているのですから。ネットも写真も無かったあの時代の西洋と日本がいかに離れていたかを知ることができる興味深い作品です。